美術手帖 2018年8月号

特集では、今日のアートにおいて新たな批評性をもちうるパフォーマンス表現が重層的に存在する状況を「ポスト・パフォーマンス」と呼び、これらの表現を様々な角度から検証する。

過去、アートの文脈で語られてきたパフォーマンスという言葉は様々な振れ幅を持ち、一義的に語ることはできない。例えばそこでは、観客は作品を鑑賞するだけでなく、アーティストが仕掛けたアクションに参加することで作品が成立したり、作家から個の身体性が切り離され、第三者の身体そのものが作品になったりする。

特集「ポスト・パフォーマンス」として、時間と空間が限定されたなかで立ち現れる作品や、美術館においてパフォーマンスや身体を用いた作品を発表する作家たちの思考に迫る。

また同時に、演劇の分野で注目される新しい表現形式や、劇場における新たな試みを探る。そして、それらの表現の見方を再発見することを目指す。

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