写真家オーディション「SHINES」で受賞した大型新人、夢無子(むむこ)の初写真集です。写真集の前半は、世界50カ国をめぐる放浪の旅で出会った人々や美しい風景。夢無子はこの旅で多様な文化を吸収し、国境を超えるボーダレスな作家となりました。

しかし2020年、新型コロナウイルスで世界は一変します。人々はふれ合うことも、国境を越えることもできなくなりました。

夢無子は、北海道から九州まで国内を放浪する旅へ。写真集の後半は、コロナ禍の重苦しい空気が垂れ込めます。旅の終着点は太古の大自然を感じる屋久島。夢無子は屋久杉の生命力に圧倒されます。コロナの時代をどう生き抜くのか。写真家はその答えをついに見出します。

本書のページ数は、通常の写真集の倍以上となる416ページ。コロナの前と後でそれぞれ写真集1冊分に匹敵する物量の写真を掲載することで、われわれがコロナで失ったものに対する惜別の情と、コロナを乗り越えて生きようとする前向きの意志、その両方をこの1冊に凝縮しました。

夢無子(ムムコ)
1988年中国生まれ、現日本国籍。大学卒業後、映像制作会社に入社。2015年に退職しアーティストを志す。アルゼンチンをふり出しに、南米・北米・欧州・アジアなど50ヵ国以上を放浪しながら写真撮影を続ける。2019年キヤノンマーケティングジャパンの写真家オーディション「SHINES」で入選(江川賀奈予選・川本康選)。その最終選考会でプレゼンテーションした世界各地の写真、および2020年から2021年にかけてコロナ禍の日本で撮影した写真で、初の写真集「DREAMLESS」を出版。