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本作は、アイスランドで出会った双子の姉妹を、7年にわたり夏ごとに撮影したシリーズです。
タイトルの「鷲と烏」は姉妹の名前に由来し、彼女たちの9歳から16歳までの時期に当たります。

「私たちは時々おなじ夢を見る」と、ある時語ったように、不思議な共振を宿すふたりの姿。
「もうひとりの私」の存在を、稲岡はときに鏡や水を生かした構成で写し出し、浮かび上がらせます。
ふたりが学ぶバレエのシンプルな衣装と、振り付けられたような身振りも、その存在を抽象化します。

アイスランドの土地や空や海とも響き合いながらほどかれていく、自然の一部としての「私」。
双子の姉妹を通して、遍在する生命の在り方と、それが宿る空間を描き出す注目作。