日本の写真史に大きな足跡を残した写真家・木村伊兵衛(1901-1974)。昭和の初期に実用化が始まったばかりの小型カメラに写真表現の可能性をいち早く見出し、“ライカの名手”として名声を確立しました。本書は、文芸諸家のポートレート、東京下町の日常の場面を素早く切り取ったスナップショット、晩年の傑作「秋田の農村」をテーマとしたシリーズなどで構成。多くの代表作を通じて、写真家・木村伊兵衛を回顧する内容です。

「ライカを手にして以来、人間を愛し、人間の暮らしを撮り続け、生涯写真家として撮り続けることができた伊兵衛さんの人生は幸せだったのではないかと、今も思っている」。(田沼武能)

【構成・写真篇】
第1章 夢の島──沖縄
第2章 肖像と舞台
第3章 昭和の列島風景
第4章 ヨーロッパの旅
第5章 中国の旅
第6章 秋田の民俗

【寄稿】
「師木村伊兵衛との出会い」 田沼武能
「写真家として生きた人──木村伊兵衛の写真の世界」 飯沢耕太郎