7万部突破の大ヒット写真集『みさおとふくまる』、待望の続刊!

前作『みさおとふくまる』の前のお話。
みさおおばあちゃんと猫のふくまるの暮らしは、こうして始まりました。

写真家・伊原美代子さんの初写真集『みさおとふくまる』(弊社刊)は、2011年秋に刊行され、日本国内のみならず世界中で多くの人の心を捉え、現在までに7万部を発行する大ヒット写真集となりました。

伊原さんは学生時代から現在まで、14年にわたり、おばあちゃんの撮影を続けています。

ここ数年で撮影された写真から、前作『みさおとふくまる』が生まれました。
第二作となる本作では、前作より時間をさかのぼり、おばあちゃんと猫のふくまるの出会いから、前作に至るまでの日々をまとめています。

ある暑い夏の日、みさおおばあちゃんが54年連れ添った旦那さんが亡くなりました。
大きい悲しみを感じながら、涙を見せる事も無く夫の死を受け入れる姿は、季節ごとに咲いては散ってゆく花を見つめるように自然だったと、伊原さんは言います。
それから、おばあちゃんを写す日々がはじまりました。

やがて、納屋で、野良猫が子供を生みました。
そっと見守ることにしたおばあちゃん。
でも、一緒に生まれた兄弟たちは次々に亡くなり、一人ぼっちで寂しそうなふくまるを、おばあちゃんは飼うことにします。
畑についていったり、洗濯や、料理を見ていたり……。
おばあちゃんの暮らしのなかに、ふくまるが寄り添っています。

かけがえのない大切な何かを失っても、どんな嵐がやってきても、幸せが溢れ出しそうでも、その日々は、もう二度と無い一時、一日。
動じずにただひたすらに生きることが出来れば、すべてが好日。
明日もきっといい日になる。

伊原美代子(いはら・みよこ)
1981年生まれ。02年日本写真芸術専門学校報道科卒業。樋口健二氏に師事。
人々や海、風景、そこで働く海女など、日本の風土をテーマにドキュメンタリー写真を撮り続けている。
11年に写真集『みさおとふくまる』(リトルモア)を刊行した。
清里フォトアートミュージアムに作品が収蔵されている。