20世紀末から今世紀はじめにかけて、写真家・上田義彦が月一回のペースで撮影した38人の肖像(ポルトレ)。
安岡章太郎、大野一雄、白川静、大島渚など昭和を生きた巨匠たちをとらえた写真が、時を超え、繊細なディテールをもって語りかけてくる――当時の編集担当だった弊社社主・大槻慎二による取材記も併録した〈読める写真集〉

本書に登場する人物
安岡章太郎/大野一雄/森山大道/白川静/大島渚/小川国夫/山本夏彦/丸元淑生/赤瀬川原平/島尾ミホ/山田風太郎/三浦哲郎/宇野亜喜良/東海林さだお/北杜夫/高崎武/吉増剛造/種村季弘/吉本隆明/高岡重蔵/津島佑子/井上洋治/加島祥造/吉行和子/嵐山光三郎/荒木経惟/南伸坊/内海隆一郎/辺見庸/細江英公/関頑亭/梁石日/丸山健二/車谷長吉/佐藤忠良/米倉斉加年/大野晋/城山三郎

上田 義彦 (ウエダ ヨシヒコ)
1957年、兵庫に生まれる。写真家。多摩美術大学教授。東京ADC賞、ニューヨークADC、日本写真家協会作家賞など、国内外の様々な賞を受賞。2011年にGallery916を主宰。代表作に、ネイティブアメリカンの聖なる森を捉えた『Quinault』(京都書院、1993)、「山海塾」を主宰する前衛舞踏家・天児牛大のポートレート集『AMAGATSU』(光琳社、1995)、自身の家族に寄り添うようにカメラを向けた『at Home』(リトルモア、2006)、生命の源をテーマにした『Materia』(求龍堂、2012)、30有余年の活動を集大成した『A Life with Camera』(羽鳥書店、2015)など。近著には、Quinault・屋久島・奈良春日大社の3つの原生林を撮り下ろした『FOREST 印象と記憶 1989-2017』(青幻舎、2018)、一枚の白い紙に落ちる光と影の記憶『68TH STREET』(ユナイテッドヴァガボンズ、2018)、『林檎の木』(赤々舎、2017)などがある。また、2021年に公開された、映画『椿の庭』は大きな反響を呼び、映画監督としての仕事も注目されている。