ブランド「ミナ ペルホネン」の創業デザイナー、皆川明の初めての画集。テキスタイルのために描かれたものではなく、新聞の依頼で描いてきた630点におよぶ挿画を、2巻に分けてまとめている。函入の造本、1ページ1点のシンプルでうつくしい本文レイアウトなど、アートディレクションは葛西薫が担当。

「森へ行きましょう」の巻は、2016年1月から2017年2月まで日本経済新聞に連載された川上弘美の長篇小説「森へ行きましょう」のカラー挿画全点(書籍化された際に表紙用に描かれた挿画も含む)、そして「日曜に想う」の巻は2016年4月から現在も続いている朝日新聞の「日曜に想う」欄のモノクロ挿画のうち、2021年12月までの全点。

皆川にとって絵を描くことは「自分のなかに存在する、意識されないままでいた何かが、表面に浮上してきたような、あるいは光が当てられたような、ちょっと不思議な経験」だという。絵を描く際の心理、画材は何を使っているか、本業であるファッションデザインとの関係性など、絵についての真摯な思いが語られたインタビューも収録(聞き手・松家仁之)。