森にふれる、心にふれる。
人と森とのかかわりを医療の現場から見つめる、清新なドキュメント。

北海道の、ある精神科病院では、周囲の森を生かした森林療法を取り入れています。人の気配のする明るい森は温もりにあふれ、四季の美しさを湛える空間。
散策路を自由に歩くことで、社会で生きていく力を取り戻していく患者たち。紀成道は、この病院の営みを記録しながら、人間と自然との接続域、当事者と健常者の共存域である、
「ふれあえる森」での出来事を写し出していきます。医療や福祉の現場から、存在と交わりの空間を捉えた貴重なドキュメンタリー。
北海道と京都の森で採集した木の葉を貼り込み、柔らかな布で包み込んだ装丁も世界観を伝えます。