$50.32
- Softcover
- 296 pages
- 280 x 210 mm
- ISBN 9784910023052
- Japanese, English
- Jan 2025
ネオンを巡る旅は、変わりゆく街の来歴をたどる、時間旅行であった。
ネオンは設置条件が良ければ30年以上灯り続けるものもある。街を歩くと、この数日で取り付けられたネオンから、30年以上も前から街を照らし続けてきたネオンまで、いちどきに出会うことができる。そして、ネオンが設置されたお店や屋上広告には、そのネオンが取り付けられた時代や人々の感覚が盛り込まれているのを見ることができる。
2020〜24年の5年間、南は那覇、北は札幌まで、ネオンが照らす風景を求めて日本各地の街を歩いてきた。どの街でも、多くのネオンがLEDに置き換わり、その数を減らしてきたが、ここ数年で新たなネオンも増え始めている。
夜の街を歩き、ネオンの灯りを浴びた時、どんな感情が呼び起こされるのか、街の喧騒に耳を澄ましてきた。そして、聞こえてきたのは街を歩く僕たち自身の物語だった。
中村治
1971年生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒。中国北京にて語学留学の傍ら、英国の通信社の現地通信員として写真を撮ることから写真家としてのキャリアをスタートする。帰国後、ポートレートを学ぶため写真家、坂田栄一郎に4年間師事。2011年、新宿ニコンサロンにて、福建省の山間部に点在する客家の村とそこに生きる人々を撮影した『HOME』を発表し、2019年に『HOME-Portraits of the Hakka』(LITTLE MAN BOOKS)を上梓。同作で第20回さがみはら写真新人奨励賞を受賞。2021年、今写真集の前作となる『NEON NEON』(LITTLE MAN BOOKS)を上梓。2025年、キヤノンギャラリー銀座/大阪にて写真展『NEON TOUR』開催。