北米大陸最高峰デナリの頂に立ったとき、憧れ続けていた極北の大地をめぐる終わりのない旅がはじまった。アラスカ、グリーンランド、カナダ、ノルウェー北極圏......極寒の地に生きる人々との交流、厳しくも美しい自然への畏怖。人間の野生を呼び覚ます圧倒的な世界との出会いを瑞々しい文章で綴る。世界を駆け抜ける写真家の<原点>がここに。
「わたしが求めているのは、勝利や支配を目的としない、やわらかい、みずみずしい、不定形のことばである。石川直樹の文章は、そういうことばでできている。やわらかな文章は、読み手をしずかに受け入れてくれる」 - 渡邊十絲子(詩人)