前作『Equally, beautiful』に続き、今回もマクロレンズを使って被写体を不鮮明に映す手法をとっていますが、本作では絵が描けず" 写真を描く" ことに希望を見出したという幼少期の北岡のエピソードが起点となり、写真なのか絵画なのかを曖昧にした写真を制作しました。ピンボケのにじみは絵具のような力を持ち、まるで印象派の絵画を思わせます。また、意図的に被写体を不鮮明にすることで、見る側へ想像力を委ねているかのようです。

これは写真なのか絵画なのか。一体何が写っているのか。

正解を探すことよりも重要なのは、「見たいものを想像すること」だと北岡は言います。言うなればそれは、自分自身へフォーカスしていくことだと。

 

北岡稔章
1986年高知県生まれ。大阪で建築を学んだ後、ビジュアルアーツ大阪写真専門学校入学。卒業後スタジオエビス入社。退社後、2015年独立。2020年初写真集『Equally, beautiful』刊行。

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