地下駐車場の奥で赤提灯が煌く中華料理店(幻覚か?)。
店の中の川(は?)から料理が流れてくる蕎麦屋(どういうこと?)。
頼んだ料理以外のものが延々と出てくる居酒屋(会計どうなる?)。
道端に落ちてる魚、犬を10匹連れてるおじさん、ゴリラビル……。

こういう「?」に、散歩をしているとよく出くわす。
(「はじめに」より)

大人気フードエッセイスト・平野紗季子の待望の2作目となる本著は、雑誌Hanakoでの2016年~2020年の連載をまとめた1冊。雑色、勝どき、伊東、はたまたカンボジアの小さな都市…。「犬かよ。」の名の通り、散歩とごはんを愛する平野さんが散歩をしながら出合った人、もの、味、体験、などについて、彼女の写真と共に、彼女のフィルターを通して語られるエッセイ集です。Hanako本誌だとなかなか特集されづらいような街にも、ドラマがあり、素敵な味があり、びっくりするような体験があるということが独自の手触りで綴られます。
?おまけコンテンツ“として、平野さんの会社員時代のランチを通じた日々をありのままに綴る「赤坂ランチOL日記」収録。デザインは、「流行通信」、広告「キューピーハーフ」など数々の作品を残す服部一成氏