おかんアートは小さな知性への大きな一撃なのか!

どこにでもあって、だれからもリスペクトされることなく、作者本人もアートとはまったく思わず、売ったり買ったりもできず、しかしもらえることはよくあり、しかももらってもあまりうれしくない。ハイブロウでも、ローブロウですらない、ノーブロウの明るい衝撃。コンセプトでも反抗でもない「手を動かす純粋なよろこび」が君を微笑ませ、涙ぐませる。
そんな「おかんアート」をオールカラーで350点以上収録。軍手人形、リボン人形、折り紙手芸からチラシかごまで、可愛くて、懐かしくも新しい⁉作品に加え、カリスマおかんアーティストの紹介や対談を収めた至極のおかんアート作品集。

【目次】
おかんアートが日本を救う

1 そこにあるものを使う 断捨離よりも「いつか役に立つ!」
香坂司登美さんのこと
大谷知子さんのこと
西村みどりさんのこと
おかんアートが生まれるところ

2 デザインよりも素材感が大事
おかんアートの風通し
尾本節子さんのこと

3 飾りじゃなくて生活用品 かわいいけれど役にも立ちます
伊藤由紀さんのこと

● 野村知広さんのチラシ箱

4 ご利益をあなどるなかれ
千成春屋のブロック折り紙

● 道の駅とおかん

5 もうひとつの折り紙宇宙
系谷美千代さんのこと
ブロック折り紙の歴史

● 嶋 暎子さんの新聞バッグとコラージュ

6 小さいからかわいい、小さいからたくさんできる
森 敏子さんのこと

● キットと教則本
びんぼう工作と紺野サキコさん

7 おかんにも推しキャラあり
先生の家

● おかんアートの現在・過去・未来
都築響一×山下 香(下町レトロに首っ丈の会)

おわりに
作品リスト

 

【著者】
都築響一|Kyoichi Tsuzuki
1956年東京生まれ。1976年から1986年まで「POPEYE」「BRUTUS」誌で現代美術・デザイン・都市生活などの記事を担当する。1989年から1992年にかけて、1980年代の世界現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集『アートランダム』を刊行。以来、現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集を続けている。
1993年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』を刊行。1997年、『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』で第23回木村伊兵衛写真賞を受賞。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続けている。2012年より有料週刊メールマガジン『ROADSIDERS’weekly』を配信中。近著に『捨てられないTシャツ』(筑摩書房、2017年)、『Neverland Diner 二度と行けないあの店で』(ケンエレブックス、2021年)、『IDOL STYLE』(双葉社、2021年)など。

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