建築家 平田晃久の考える「建築」とは

「建築とは〈からまりしろ〉をつくることである」というコンセプトは、平田晃久の建築に一貫している。平田の造語である〈からまりしろ〉とは、はっきりと形作られる空間領域とは異なり、「ふわふわとして隙間の錯綜」、つまりはあらゆる物質の傍らとも言える領域の重なりを示す。初期作「桝屋本店」、建築学会受賞作「太田美術館・図書館」、話題作「八代市民俗伝統芸能伝承館」、最新作「HARAKADO」、そして2028年竣工予定の「練馬区立美術館・貫井図書館」まで、平田が自身の世界観を形にした21の建築作品をドローイング、写真、テキストで紐解くビジュアルコンセプトブック。展覧会会場写真を撮り下ろし掲載。

 

平田晃久(ひらた・あきひさ)
建築家。1971年大阪府生まれ。京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程終了後、伊東豊雄建築設計事務所に勤務。2005年平田晃久建築設計事務所設立、2015年より京都大学准教授、2018年より京都大学教授。主な作品に「桝屋本店」、「Bloomberg Pavilion」、「太田市美術館・図書館」、「Tree-ness House」、「Overlap House」、「八代市民俗伝統芸能伝承館」、「HARAKADO」、「練馬区立美術館・貫井図書館」(2028年竣工予定)など。主な受賞にSDレビュー、JIA新人賞、第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 金獅子賞(協働受賞)、村野藤吾賞(太田市美術館・図書館)、BCS賞(太田市美術館・図書館)、日本建築学会賞(太田市美術館・図書館)。

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