「エリアス・カネッティの優れた紀行文『マラケシュの声』は僕の好きな本で、数年に一度それとなく読みかえしている。 そしてそのつど、もう四半世紀も前のことになってしまったぼくの、わすが一週間にすぎなかったマラケシュへの旅について、 遠い記憶を呼びさます思いで、あのマグレブの、さまざまな音色と匂いと雑踏の情景が、ふと瞼に懐かしく立ち戻ってくるのだ。」森山大道