$44.96
- Softcover(hand-sewn)
- 48 Pages
- 40 b/w images
- 221 × 230 mm
- limited edition of 1000
- ISBN 9784908512568
- 2022
数年前、まだコロナ禍に見舞われていない時代、向かいから黒いマスクを付けた数人が歩いてくると、思わず避けてしまうことがあった。彼らが不気味な集団に見えたからだ。ところがマスク着用が日常になった現在、黒いマスクの集団は不気味ではなく、うまく服装とコーティネイトしている洒落た人たちだなと感じるようになった。習慣化とはこんなにも私たちの感覚を変えてしまうのだ。そしてマスクを着けている人たちが何とも美しく見えるようになった。それは目の表情が過去よりずっと意思のある輝きを放っているからだ。目だけにメイクを施していることもあるのだろうが、目の表情だけで人に感情を伝えようしているのだ。それは瞳と表現するのにふさわしく、その人を魅力的に見せている。しかしマスクで顔を隠すことで気楽でいられると感じている人もいる。仮にコロナ禍が収束してもマスクの着用を続けたいと思っている人がかなり多くいるらしい。欧米では日常でマスクを着けていると、相手の感情が口の表情から読み取れないので、すぐにでも外したいという声が強い。これには一理あって、日本でも親と幼い子供との間にマスクがあることを憂慮する向きもある。何れにしても現時点でのマスク着用はコロナ禍から人類を救うアイテムの一つに違いない。
ここに収めた写真の多くは東京で撮られたものだが、例外的に福岡や福島で撮影したカットがあるので本書のタイトルは「JAPANESE EYES」とするべきだが、語呂の良さで「TOKYO EYES」にした。
日本から世界へ向けての「瞳」、「愛」、「合図」。これから先、私たちは何を学び、そして何が人類を救うのだろうか。