$54.55
- Softcover
- 88 pages
- 147 × 210 mm
- 2022
「“己”の現実に対応する者は
“私”しかおらず
己の現実に対して
最善の写真行為を行う者は
私である
現実に縛られながら
現実を解いていく
百年生きても意味はない
己は霊と肉
私は写真に残存する
人は倫理の中で食べている
写真は時に禁忌を食べる
愛がそれを欲する
愛には倫理がない
愛に支配された時
写真は毒となる」
写真に命を懸けるのは勝手です。
誰が選んだ道でもない、自分で選んだ道です。
常に"私"と"己"、すなわち客観的"現実"と主観的"現実"の間で心身を捧げ、目の前の現実と同化し、目に見えない現実を形にすることが私の写真です。
現実は哲学です。
私は、その哲学を信じています。
私の哲学が現世、後世と誰かの心に触れ、伴走者になれたなら本望です。
私は写真でどこまで深く潜れるかに懸けているのです。
理想を追うことが作家の仕事です。
― 殿村任香