香港出身、1997年に来日して以来日本をベースに活動するERICの禅フォトでは二冊目となる写真集。
7年前に生活の拠点を東京から岡山へと移したことをきっかけに、自分のこれまでの生き方を、そして東京という都市を見つめ直す機会となった。『東京超深度掘削坑』はそんなERICがコロナ禍の東京を縦横無尽に撮り下ろした鮮烈スナップ集となっている。

「カメラは物事の表面だけを掬い取る。しかし、撮影者の写し方によって、その写し撮られた表面はその下にあるものを隠す壁にもなれば、逆にそれへのゲートにもなる。そのゲートをくぐって人はどこまでも沈降してゆける。
人や人が作り出した光景という表面は、時代によって移り変わってゆく共同幻想がその時々に顕現したもの、過去のそれらは一番上の地表の下に地層となって遥か地下へと沈んでいっている。地表の物事からはいわば「根」が伸びて、その地層を貫いて深く深くどこまでも続いている。
僕は今回の写真で日本人の「根」を垣間見たように感じている。どこまではっきりと、またどこまで深く、それを捉えたかはわからない。
本来、答えというものは簡単には得られない。そのことだけは確かだ。」
― ERIC

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