11月15日発売のCoyoteはアラーキーこと、写真家荒木経惟を特集します。1960年代、写真家として本格的な活動をはじめた荒木は、混沌とした東京の街に生きる人々の姿を撮り続け、やがて街を飾るポスターへと写真の可能性を見出します。今号では、膨大な数がありながらも、あまり触れられることのなかった荒木のポスター作品に注目。舞台や演劇、音楽、文学などと多岐にわたるに貴重なポスター群を、写真評論家・大日方欣一の解説とともにご紹介します。高度経済成長期のカオスとも呼べる街を飾り、新たな時代を切り拓いてきた荒木のポスター作品をさまざまな視点で紐解きながら、写真家としての生成過程、そして彼が見つめた時代を追走する旅へと読者を誘う特集です。ご期待ください。

 

【CONTENTS】

荒木経惟「楽しいポスター仕事」
荒木経惟の写真表現として、写真集とならんで大切な「ポスター作品」。
荒木がそのポスター作品について振り返る独占インタビュー記載。

約半世紀にわたるポスター作品を一挙記載
「ヌーベルバーグ・アラーキー」と題し、これまであまり触れられてこなかった荒木経惟のポスター作品を21のジャンルに分け一挙記載。

①モノクロで撮る/②中判で街を撮る/③肖像写真/④旅を撮る/⑤映画を撮る/⑥文学を撮る/⑦音楽を撮る⑧演劇を撮る/⑨歌舞伎を撮る/⑩写真家を撮る/⑪女優を撮る/⑫色気を撮る/⑬ファッションを撮る/⑭ヌードを撮る/⑮地方を撮る/⑯企業を撮る/⑰自分を撮る/⑱テレビ番組を撮る/⑲キャンペーンを撮る/⑳花を撮る/㉑書を撮る

大日方欣一「ポスターの時代」
写真評論家の大日方欣一が、荒木ポスターの大河を辿る遊覧紀行を書き記す。

戌井昭人「はるかなるサウナ、北の旅」
作家・戌井昭人と写真家・浅田政志が北海道のサウナの魅力に迫る。
自然から球場まで、多種多様なサウナを巡る驚きと極楽の北海道紀行。

イッセー尾形「賢治再訪としての『なめこと山』情と資本主義」
イッセー尾形が宮沢賢治の世界を旅する連載の第6回は、不朽の名作「なめこと山の熊」をオマージュ。

池澤夏樹「サン・パピエ」
作家・池澤夏樹による、書き下ろし短篇小説を特別掲載。
日本に亡命してきた一人のレバノン兵士が主人公の物語。

<そのほかのコンテンツ>
●1974-2019 荒木経惟ポスター作品リスト
2近年、荒木から九州産業大学へ膨大な資料が寄贈され写真家評論家の大日方欣一の手によって管理・調査研究が進められている。本誌では調査の完了したポスター作品256点のリストを公開する。

●ジェナ・ジョンソン「信頼と感謝」
12年半前、パタゴニアに入社したジェナ。アルパイン部門のトップからエグゼクティブ・マネージメントに。クライミングへの愛、家族のこと、そしてパタゴニアとは。

●Foxfire True to nature Vol.15
自然に挑むのではなく、自然と共に生き、自然に対して真摯であること。 山に登って弾き語りライブをするシンガーソングハイカー加賀谷はつみのインタビュー。

●最初の一歩 第81回
山本容子
絵=山本容子

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