アルル国際写真フェスティバル2024「Historical Book Award」受賞

1957年香港生まれの黃勤帶は、プロの報道写真家として働いていた1989年4月、北京で行われていたスポーツコンテストを取材した際、中国史上最大規模の民主化運動を引き起こした北京の学生たちの姿を目にした。その後香港に短期間戻ったが、学生たちがハンガーストライキを開始したと聞いてすぐに北京入りし、六四天安門事件に至るまでそこに留まり学生の姿をカメラにとらえ続けた。

本書は1989年4月から6月4日の間に撮影された写真と、1998年の冬から1999年の春にかけて撮影された6点が収録されている。

「ライトボックスの白い光を通して、1989年に北京の天安門広場で行われた学生民主運動中に撮影された一連の白黒フィルムのファイルを再確認し、そこに写っている長安街に取り残された青春を探す。
青春が遺した引き取り手のないものを前に、彼らの今を想像せずにはいられない。
結局のところ、それは中国の地に現れた最も美しい人類の煌めきだったのだ。」
― 黃勤帶(本書あとがきより)