独特のユーモアと透明感を有する写真表現が国内外で支持され、幅広いジャンルにおいて第一線で活躍し続ける横浪修。
2010年よりスタートした「Assembly」シリーズでは、集合体の持つ強さや美しさに着目し、北海道や沖縄、プーケット、ニュージーランドといった豊かな自然の中で同じ服装に身を包んだ少女たちの姿を捉えてきました。
「Assembly Teshikaga」は、深い森と美しい水に囲まれた北海道・弟子屈(てしかが)を舞台にしたシリーズ最新作です。
雪深い大地を踏み締め、ひたむきに進んでいく制服姿の少女たち。
「個々に匿名性を与え、集団としての存在を浮き彫りにする」というこれまでのシリーズと同様の主題でありながら、大自然の厳しさ、畏怖を喚起させるような崇高さといった側面をより一層感じさせる写真作品には、無垢な生命の力が切実に表れています。  横浪が10年以上にわたり向き合ってきた「Assembly」の新たな展開をご覧ください。

 

横浪修(Osamu Yokonami)
1967年、京都府舞鶴市に生まれる。1989年に文化出版局写真部入社。独立後は、写真家として自身のレーベルやスウェーデンのLibrarymanなど、海外の出版社からも写真集を刊行。「Assembly」シリーズをはじめ「100 Children」や「1000 Children」、「PRIMAL」など数々の作品集を出版し、カリフォルニアのDe Soto Galleryや、台湾の新光三越などで個展を実施している。また、2023年にはKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭のサテライトイベント KG+でも個展が開催され、国内外から多くのファンが来場した。瑞々しさとユーモアに満ちた豊かな写真表現には、独自の世界観が息づいている。