「過ぎ去った沢山の時間。それらの時間を振り返る時、少しはその時間の置かれた意味が分かるような気がしてきた。予期できない、計算できないことを期待しながら歩き、シャッターを押してきた。様々な動きがリセットされたような気配、清々とした匂い。或る日の山里の早朝、刻々と変わる空の表情、蜘蛛の巣に朝露、車に轢かれたタヌキ、高い空をゆっくり動く点々。大気のゆらぎ光の移ろいを皮膚に受けとめ、八百万に囲まれ包まれているような一体感に、全身の細胞が活性化されるような感覚。こういう感覚が新しいものを見たいという衝動を支えているような気がする。歩き始め、歩き回るといつか何かを見つけることができる。」
(写真集あとがき)

この度、そのようにして撮ってきた写真を様々な方のご協力を頂き、まとめることができました。47都道府県別に、「にほんのかけら」2017と「影泥棒」2020に未収録の写真を、個人的であり普遍的、写実的であって抽象的、昔であり今、そんなことを頭において土地の匂いを思い出しながら500枚を選びました。手に取って頂けたら幸いです。

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