記憶のなかの「ンマリジマ=生まれ故郷」を訪ねる旅路に、レンズは終わることのないイクサの闇を捉える。沖縄戦最大の激戦地のひとつ、三和村福地に生まれ育った写真家が眼差す、戦争の爪痕と政治の倒錯。死者を悼み死者とともに生きる日常から、怒号飛び交う激動の70年代、陽炎のように歪む日米同盟の現実まで、報道写真家としていまなお沖縄を撮り続ける氏の軌跡をはじめて集成した待望の作品集、モノクロ123点収録。