沖縄の風土に幾重にも絡みつく意味性に抗うように短い生涯を駆け抜けた写真家が、その思索の涯てに眼差したものはなにか。深い森に沈む廃坑にニライカナイを重ねる「光と陰の島」、政治の季節の蹉跌を日常の風景に隠した「72年の夏」、ウミンチュのシマに神の往来の物語を甦らせる未完の遺作「海の旅人」より編まれた121点。