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奥山由之 × 岡﨑真理子 × サンエムカラー

表紙に触った瞬間、そのテクスチャーの肌触りにぞくぞくさせられる。奥山の「windows」の曇りガラスといえばいいのだろうか、凹凸がある窓ガラスの質感を3Dで再現するという荒技から始まる。

テクスチャーのある透明なページを捲ると本来の印刷の部分である作品が露わになるのだが、サンエム独自のチューニングが施されたジェットプレスというインクジェットの化け物のようなプリンターが描く質感がえぐい。えぐいというとマイナスのイメージだけども、えぐいと言わざるえないくらいに立体的な印刷に仕上がっている。

おそらくデザイナーの岡崎が狙った部分は感情の排除。テクスチャーに針を思いっきり振ることで、作品から感情を取り払い見る人の視線を印刷の質感に集中させる。

そしてそこに展開されるのは圧倒的にハイレベルな印刷。岡崎の振るタクトの合図で一気に畳み掛けるサンエムの印刷力。

32枚のページ数とは思えない存在感を感じさせてくれる。

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