奥山由之 × 田中義久 × 東京印書館

手にひらサイズの丸背の上製本。what is a “window” ?から始まるテキストの型押しが印象的な表紙。開くと何も書かれていないページが連続して続く。

そう、これはアートブックというよりノートブックなのだ。何かを綴るためのノートブック。誰かへの言葉、自分への言葉、誰へともないとりとめもない言葉を綴るための1冊。連続を断ち切るかのようにそこに挿入されるwindowの写真が、言葉の記憶を繋いでくれる。
 東京のどこかの街角でwindowを目にするたびに、そこに綴られた言葉を思い出すだろう。奥山は”窓を見つめることは、見知らぬ誰かと見つめ合うことに等しいと感じた”と。このノートブックはその先に踏み込み、さらに個人的な感情を大事に包み込むような形へと進んでいる。

ここに綴じられたセンチメンタルな窓は、どこにでもないこれを手にするその人だけの窓だ。大切な誰かに贈りたい1冊。

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