うつゆみこの「驚異の部屋」へようこそ!
近作190点を収録した14年ぶりの新作写真集を、「日本の新進作家vol.20」(東京都写真美術館)に選出されたことを記念し、ふげん社から刊行します。

うつゆみこの愛する動物、昆虫、植物、人、オブジェ、フィギュアなどを、心の赴くままに組み合わせ構成したセットアップ作品が放つ、美しく毒のあるシュールな世界観は、多くの人を魅了します。二人の娘を出産し、思い通りに制作の時間が取れなくなってからも、多くの人や動物や植物、自分の子どもをも制作に巻き込みつつ、日々の隙間をぬいながら、さらにダイナミックで自由闊達な作品を生み出し続けています。

「ヴンダーカマー」(Wunderkammer)とは、「驚異の部屋」のドイツ語で、15世紀から18世紀にかけてヨーロッパで作られていた、珍品を集めた博物陳列室のこと。
プリミティブな心の欲求を、イノセントに表現した、うつゆみこの美しくも禍々しい脳内コレクションをご堪能ください。

付録「Yaoyorozoo Paper」には、都築響一、飯沢耕太郎が寄稿。アトリエ訪問記を収録しています。

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“「ヴンダーカマー」とは元来、秘宝収集室のような意味だけれど、このヴンダーカマーはむしろ、うつゆみこという不思議な生のありようを、死んだり生きたりしているいろんな素材で描き出す、ものすごく気持ち悪くて美しいこころのセルフポートレートなのかもしれない”(都築響一)