特集:ルーツをめぐる断章
すべての民族と人種は独自の言語や文化を育みながら、それぞれの歴史や物語を紡いでいる。だからこそ、この世界は豊かで美しく愛おしむべきものだ。しかし同時に憎しみや争い、悲しみを伴う問題もまた各地で噴出している。写真家たちにとって人々のルーツに思いを馳せ、探求することは、それが自身のアイデンティとしてであれ、また第三者としてであれ、埋もれていた個人の記憶に光を当て、これまで語られてこなかったコミュニティの歴史を浮かび上がらせる意義深いふるまいだ。彼らのルーツをめぐる断章は、私たちの無知を喚起し、意識を覚醒させる。まずは知ることから、すべては始まる。