双子の兄弟、大道兄弟の過去7年にわたる写真の軌跡
時間を編み、視線が入り混じることで解き放たれるもの

大道兄弟による写真集『My name is My name is...』は、彼らが個々に撮影した写真を見せ合い、見返し、異なる経験やイメージを互いにブレンドし、選択し、繋ぎ合わせるという共同作業からひとつのカタチが作り上げられている。
ふたりによる自主レーベル「桜の花本舗」から2021年に私家版として出版された本書に赤々舎が協働し、このたび共同出版として刊行する。

言葉ではなく写真を介してお互いの違いをそのままにし、問いかけ合う。その間柄の中に感情が行き交い、自分に繋がる事象を見つけていく。視覚的に知覚する行為を意識化する彼らのプロセスは、アイデンティティの探求であり、同時にそれから解き放たれる行為でもある。
どちらが撮影した写真であるか明記は無く、かけがえのない時間やこれまでに出会った他者との繋がりに浮かび上がる何かに手と心を動かしながら、互いに見ることを積み重ねていく、彼ら独特のDIY精神と共同作業のハイブリットから、またとないこの一冊が生まれた。

時間を編み、視線が入り混じることで解き放たれる。写真家、大道兄弟による初の写真集。

 

大道兄弟

1994年、山梨県生まれ、大阪府堺市育ちの兄優輝と弟康輝の双子の兄弟。現在は京都を中心に活動、発行所「桜の花本舗」を主宰。2人で写真集制作の他、それぞれの名義での活動も行う。これまで2人が作った本はZINEを含めると40冊以上。2021年には100部限定の写真集『My name is My name is...』(私家版)を刊行。2024年3月に韓国 ffSeoulにて、大道兄弟の過去10年にわたる写真集制作の軌跡を紹介する展覧会「Time Upon A Time」を開催。