韓国 ソウルを拠点に世界的に活動するAhn Jun (アン・ジュン)の初の写真集。
2008年から2013年にかけて、ソウル、NY、香港都心などで撮影したセルフポートレートのシリーズ。
高層ビルの屋上や先端にあって下を見下ろすその姿は、圧倒的な緊張感と浮遊感に満ちている。
屋上にいることは変えられない=「過去」と、遠くに感じられる都市の風景=「未来」の狭間にある「虚空」
を視覚化し、一瞬の割れ目=「現在」を写しとる。

それは時間を空間に置き換え、写真を通してのみ可能なパフォーマンスであり、コンテクストから孤立する。
高所から水平に都市を望む視点と、その足もとの虚空を見る視点ーー
視覚的認識と空間的認識、生と死、理想と現実が衝突し、その端の上にある存在を提示する。

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過去は背後に。
未来は遥かに。
現在(いま)とは虚空。一瞬の割れ目。

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「現在とは、未来と過去の間の、とても短い一瞬のことです。  つまり私たちは皆、何らかの端の上に生きているのです。  生と死の間、そして理想と現実の間に。」アン・ジュン

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「素足になり、まだ見ぬ世界へ飛び立つその開放的な姿態によって、彼女は
観賞者を虚空の端へと誘う。そして彼女がそうするように、崇高さの際に立つ
ようにと後押しするのだ」
ーーーミシェル・ドゥーン・マーシュ(キュレーター) Michelle Dunn Marsh

2006年南カリフォルニア大学​(ロサンゼルス)​美術史学科卒業、2012年パーソンズ美術大学​(ニューヨーク)​写真 学科修士課程修了後、2017年弘益大学校​(ソウル)​大学院写真学科博士号を習得。
主な個展に「On The Verge 」​(Photographic Center Northwest、アメリカ・シアトル/2018年)​、「UnveiledScape」​(Keumsan Gallery、ソウル/2017年)​、 「Self-Portrait」(​ Christophe Guye Gallery、スイス・チューリッヒ/2014年)​など。
主なグループ展に「Space; Crashes in Street Life」(Triennial of Photography Hamburg、ハンブルグ、ドイツ/2018年)「Asia Woman Artists」​( Jeonbuk Museum of Art、韓国・完州郡/2017年)​、「Ich」(​ Schirn Kunsthalle、ドイツ・フランクフルト/2016年)​、 「Secret Garden」(​ ソウル市立美術館、ソウル/2016年)​など。
主な作品収蔵に国立現代美術館​(ソウル)​など。