写真界を超えて反響を広げつづけるインベカヲリ★の最新作。生プリント付き三部作!

「他の人が当たり前にできることができなかったり、なぜかいちいち立ち止まってみたくなったり、完成したものを叩き壊したくなったり、知っていて破滅に向かいたくなるとき、ふわっと隙間が開いてその人が見えてくる」

インベが今年、初めてのデジタルカメラで撮影したシリーズ。撮影を希望するひとを募集し、会って聞いた話から汲み取った心象をもとにシチュエーションを考え、女性たちと作り出すポートレート。「ふあふあの隙間」では、より猥雑に街を写し込み、展開する場面をシャープに照らし出した。

 

やわらかくシリアスな深淵に通ずる隙間①、
どこかポップで大胆な女の業が覗く隙間②、
ストリートに生息するダークな隙間③。

いずれも生プリント(各1枚、2Lサイズ)を貼り込んだり蛍光色を用いたり、ページの隙間を覗いてみたい欲望にもかられる。

女性たちとの対話の断片や呟きが、生々しく胸を打つテキストも挟み込む。

収録タイトル
① 間に入る/影に飲まれる/最終ステージ/排毒/ぬいぐるみに珈琲を飲ませる
② あなたは病気じゃありません/ガタンゴトンがきこえる/山陰の女/千夜、牙を研ぐ/6月の赤い雨/バービー疾走/ダイヤと石ころ
③サイクルの速い冬眠/処世術/森でとまり沼までこない/新・考えない人/無視されると絶望/傍観者/バブー/頭を冷やす/さいきんおもうこと/書面上の幸福

 

写真家インベカヲリ★(Kawori Inbe)は1980年、東京都生まれ。。

一般人女性の人生を聞き取り、その心象風景を写真で表現するポートレート作品を撮影。国内外での個展、グループ展多数。
2008年、三木淳賞奨励賞受賞。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』(赤々舎)、共著に『ノーモア立川明日香』(三空出版)、忌部カヲリ名義のルポ『のらねこ風俗嬢-なぜ彼女は旅して全国の風俗店で働くのか?-』(新潮社電子書籍)などがある。2018年、第43回 伊奈信男賞受賞。写真と言葉から成る写真集『理想の猫じゃない』、『ふあふあの隙間』(1)(2)(3)を赤々舎より刊行。