$31.11
- Softcover
- 168 pages
- 180 x 255 mm
- ISBN 9784861529443
- Japanese
- Mar 2024
新版画の技の「粋」と企業数奇者の「贅」が結実した美
ニッカウヰスキーの前進の創設に関与し関西の経済人として活躍、「美の館」として知られる大山崎山荘をつくった加賀正太郎。自然を愛し、美を愛した加賀が“生涯のホビー”として情熱を注いだのが蘭だった。昭和21年(1946)戦時下の混乱を危惧した加賀は、京都画壇の巨匠、木島櫻谷門下の日本画家・池田瑞月に原画を描かせ、一流の彫師、摺師を招聘し、当時から世界に高く評価されていた「新版画」の技術により『蘭花譜』を刊行。本書は、図版全104点を再現し、植物学的見地、版画の技術的見地、美術史的見地から、『蘭花譜』を通じて蘭と加賀正太郎の美の世界をひも解く。
寄稿:
久山敦(咲やこの花館名誉館長)
福島克彦(大山崎歴史資料館館長)
早光照子・井上孝一(芸艸堂)
加賀正太郎(かが・しょうたろう)
大阪・高麗橋生まれ(1888-1954)。関西の実業家としてニッカウヰスキーの創業に関与するなど活躍する一方、趣味人としても知られる。当時日本では珍しい蘭を栽培し、自らが育種した蘭のカタログ『蘭花譜』を刊行するなど、文化面でも功績を残す。加賀がデザイン・設計した京都の大山崎山荘は、現在のアサヒグループ大山崎山荘美術館として公開されている。