製鉄所の中核設備である高炉(神や魂がものに宿るとする日本古来の考え方は、鉄を生きものとみなし、高炉は母胎にも例えられていた)。

紀は学生時代にその化学反応を研究した経歴を生かし、広島県福山市の製鉄所で行われている技能継承を取材しました。現場では団塊の世代とミレニアル世代が協働しつつも、仕事に対する価値観の違いが見受けられ、その一因として、高度成長により面影がなくなるほど発展した街の姿に着目します。

地元の方々の協力を仰ぎ、昔の写真を重ね合わせることで、時間による隔たりと通底するものを可視化しました。その後、外国人労働者がともに働くようになった父親の町工場を訪れ、成長を追い求める新興国が日本に浸透していく現状を目の当たりにします。これらふたつの製造現場から、日本のいまを伝える試みです。

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