「母」から離れた「女」の輪郭。
ふたりの女が、愛し、働き、生きた時代。

写真を始めた28歳のときから、母の旧姓名を作家名として名乗ってきた写真家・石内都。
石内都は、絵本画家として知られる「いわさきちひろ」の人生を知るにつれて2歳しか年の違わない自分の母「藤倉都」との重なりに気づいた。
本書では、今年、石内都が新たにいわさきちひろの遺品を撮り下ろしたシリーズ〈1974. chihiro〉とともに、自身の母親の身体や遺品を撮影したシリーズ〈Mother’s〉を掲載。藤倉都といわさきちひろの生前の写真や資料、石内の視点を通して、同じ時代の空気を吸って生きたふたりの女の物語を綴る写真集。