$15.32
- Softcover
- 288 pages
- 100 × 150 × 20 mm
- ISBN 9784861523281
なぜ、怖いはずの妖怪が、かくも愛嬌たっぷりに描かれたのか?
日本美術史の最後の砦、妖怪画のなぞを解く。
その大衆性や、戯画的、あるいは風刺的表現が見られることから、これまで美術史のなかでなかなかテーマとしてとりあげられることがなかった「妖怪画」。ところが、日本では古くから子供から大人までが親しんできた裾野の広い分野であり、自然信仰や各地域の伝承といった日本固有の土着文化や宗教と密接に関わる重要な主題でもあります。美術史のなかで本流としては語られてこなかった「妖怪画」の系譜をあらためて見直すことで、日本美術の持っている笑いや遊びといった特徴的な側面を再考する契機となります。
平安時代から明治初期にかけて描かれた妖怪画(絵巻物)を豊富に掲載し、その大衆性や戯画的表現から、これまで美術史においてはほとんど試みられることのなかった妖怪画の祖型をたどり、その系譜を読み解きます。
序文:辻惟雄
収録作品:
『百鬼夜行絵巻(松井文庫)』/鳥山石燕『画図百鬼夜行』/吉光『百鬼ノ図』/『化物尽絵巻』/土佐光起『百鬼夜行之図』ほか