$15.30
- Softcover
- 256 pages
- 100 × 150 × 18 mm
- ISBN 9784861523298
なぜ、怖いはずの妖怪が、かくも愛嬌たっぷりに描かれたのか?
日本美術史の最後の砦、妖怪画のなぞを解く。
その大衆性や、戯画的、あるいは風刺的表現が見られることから、これまで美術史のなかでなかなかテーマとしてとりあげられることがなかった「妖怪画」。ところが、日本では古くから子供から大人までが親しんできた裾野の広い分野であり、自然信仰や各地域の伝承といった日本固有の土着文化や宗教と密接に関わる重要な主題でもあります。美術史のなかで本流としては語られてこなかった「妖怪画」の系譜をあらためて見直すことで、日本美術の持っている笑いや遊びといった特徴的な側面を再考する契機となります。
戯画的表現に富んで諷刺がきいた妖怪画は、大衆たちに圧倒的な支持を得た、いわば江戸時代のサブカルチャー。葛飾北斎や歌川国芳、河鍋暁斎を筆頭に、人気絵師がこぞって描いた妖怪画(浮世絵)が満載です。
序文:椹木野衣
収録作品:江戸時代から明治初期にかけての人気浮世絵師、葛飾北斎、歌川国芳、月岡芳年、河鍋暁斎による妖怪画づくし